King Crimson 2016 Tour

CERNへの旅

Atlas Experiment at Large Hadron Collider

これまでNASAのJPL(ジェット推進研究所)には数回訪問しました(マーズ・ローバーは、歴史的な旅をする前に見学しました)。CERNは、この地球で僕が訪れたい場所のリストのトップに挙げてきたところです。 僕にとって、人類がそのベストを尽くしているところの一例で、100以上の国から何千人もの科学者が宇宙の秘密を解明しようと一緒に仕事をしているのです。

22の国が出資して、CERN(正式名はEuropean Organization for Nuclear Science)の基本憲章は非軍事的に情報を広く公開することを謳っています。事実、World Wide Web はここでデータを自由にシェアするために生まれ、そのおかげで僕たちは電話会社に料金を払うこともなく全てのウェブページを見ることができるわけですから。

沢山の事実と巨大な数がありますが、まずは僕が訪問した好きな場所からスタートしましょう:反物質減速機です。反物質にあえて手を出す人々を愛さなくては!

Where Have All the AntiFlowers Gone - 反物質花はどこへ行った(訳注は必要だろうか)

素粒子物理学者が配線しているのをみると、僕のホームスタジオのケーブルの混乱があまり気にならなくなります。

それで…定説によれば、反物質は物質と同じ量作られたことが分かっています。それで、この研究所はこの疑問について研究しています。この宇宙を構成する物質の量に見合う反物質はどこにあるのかと。

では、いくらかの反物質を作って(粒子衝突機で)、どうなっているのか写真を撮って調べましょう。 フォトグラファーとしての僕は、その写真1枚がたった100メガバイトだと聞いて驚きました。携帯の写真と比べても大きくありません。でも、あぁ、ある数字が僕の心をうろたえさせ始めました。粒子衝突機は1秒間に4000万枚撮る上、こういう衝突機が沢山あるのです。本当にすごい数!

おことわり:ここでは訪問した際に見聞きした数字を書いています。いつもこのダイアリーを見てくださっている方ならご存知でしょうが、僕は訪れた町について時々間違いを書きます… ですから、正しい事実を知りたければCERN を是非訪れてください。.

反素粒子に戻って - ここでは大きな成果を上げています。80年代に、反陽子と電子を彼らは「捉え」ました。それに関して多くを語ることは難しいです。何故ならそれはあまりに早く動いているから。それで、90年代には減速機を使ってそれらをクールダウンするプロセスが始まりました。そして、水素の反陽子をいかにして取り出して、それを水素の陽電子と混ぜ合わせて反水素の原子全体を作ろうとし、生まれた反電子の赤ん坊がどんな振る舞いをするのか見ようとしました!

それは長い過程でした。そして、彼らは今も手法を改善して更に原子を捉えて解析しようとしています。これだけの長い年月に渡る努力と経験、そして出費の末に、もし、彼らが反物質の振る舞いをつきとめ、宇宙からほとんど消えて無くなった謎が解明できたら… 我々の前宇宙の起源についての理解は大きく飛躍して、そして … シャンペンのボトルが回ってくることでしょう!

誰かがノートを置き忘れていました -- 多分そこには「コーヒーを一杯飲もう。それから宇宙の謎を解こう」と書いてあるのでしょう。
ここが全てが行なわれている場所:もし僕の理解が正しければ、反陽子は右側からやってきて、細いチューブを通って、緑色のチャンバーの中で解析されます。
CERNは主として科学者のコミュニティが実験に使うための基盤であることを思い起こされます。ここにはここでのデータを利用したことのある大学のポスターが掲げられていました。
反物質を冷却するためと、ここにある巨大な電磁石はすべて、大量の液体ヘリウムを使います。後刻、Atlasプロジェクトの外にあるタンクの前に立っています。(申し訳ないけど、それでもここは暑かった!)
中に戻って - チューブについた氷。
別の体験に移動する時間ですが、なかなか去りがたい気分… ここにはまだ完全にマスターしていないことがいくつかあります!

シンクロサイクロトロンで会いましょう

1957年製の、最初の加速器は、シンクロサイクロトロンという長い名前を持っていますが、今日の基準ではまったく小さなものです。

ここの他のものと同様、これはまだ使われていますが、現在は(わずかに)核物理学のためだけに。素粒子加速器は、これから僕が見に行く、はるかに大きな新しい装置に移っています。僕はここが始まった頃の机の上に置かれた道具の展示が気に入りました。
まわりの沢山のものたち

ジュネーブの近くにはスーパーコライダーが作られ、その巨大さはフランスの地下に及ぶほど…

以前から演奏しているStick Menの曲の中のひとつで、"Soup"の歌詞の中に入っています。今僕はその巨大な、大型ハドロンコライダーの側にいます。アトラス実験エリアは高速素粒子衝突機の結果を解析するところです。

アトラスへのガイドのSteve GoldfarbとLudo Pontecorvoが地下300フィートの実験場に続くエレベーターのところにいます。

Ludoが、僕らを入れるために網膜スキャンを受けているところ

エレベーターのボタンは見ませんでしたが、300フィートは長い道のりです。 途中、こんな階がないか見ておくべきでした 。インテリア家具…紳士服…反家庭用品…大型ハドロンスーパーコライダー…

Steveは少しの間、別々の階層にある素粒子衝突機の検出器の模式図を見せてくれました。毎秒4000万パケットの陽子が届き、それぞれのパケットに1千億の陽子が含まれ、何時間も回っているビーム… 僕のカメラが適任とは思えませんね!

ここからこの実験施設全てのデータが出て行き、後から見学するセクションで全てが蓄えられたり配布されたりします。

別の場所の廊下と、施設の総合ガイドのConnie Potter。
そして、突然、それは現れました!
僕の持っている一番広角のレンズでもこの巨大さは捉えきれませんでした… Steveになんとかここの光景を僕を入れて撮ってくれるように頼みました。

何かに頭をぶつけないように、ヘルメットは役立ちます… でも、高速な素粒子には役に立ちません!ペースメーカーを付けている人は、ここに来るのは良い案とは言えません。ここには至る所に巨大な磁石があり、それが溶けてしまわないように強力な冷却施設があるのです。

このコライダーは、総延長27キロで、これまで人類が作った中で最大のものです。ここのヴァーチャルツァーがAtlas Virtual Tourで体験できます。

そして、もちろん、ウェブではCERNに関する詳細な情報を見ることができます。

別のセクションに向かいましょう… 立ち入り禁止地域を見せてもらうのは嬉しいでしょう。僕はこのご褒美に値する何かをやったかどうかは分からないけど、すべての時間を楽しみました。

レッツゴー・トゥー・ザ・ビデオテープ

大きな数字が好き?アトラス実験施設は毎秒ペタバイトのデータを生成します。それほど多くありません。ほんのペタバイトです。あぁ、でも、「ペタバイト」というのはどうやら1000兆バイトのことのようです… ですから、はい、凄いデータです。それも毎秒です。

彼らはその中から本当に有用なデータだけを残して殆どを省くためのフィルターをデザインしました。(施設ごとにトータルで毎年25ペタバイト) いずれにせよデータの蓄積は大きな問題で、僕は彼らがそのために磁気テープを使っているのを知って驚きました。まぁ、古いテープではありませんが、昔は音楽にもコンピュータにも信頼できる磁気テープを使っていたものです。

磁気テープが走るユニットが並んでいる部屋があります。 世界中に11のバックアップ施設が他にあります。それらは近い将来の利用に備えて安全に蓄えられているのみならず、遠い将来の物理学者たちにとっても重要なデータなのです。

たった今、地球上でリアルタイムでデータが送られているラインが示されているモニターが気に入りました

僕はそれに向かって飲みます

コントロールセンターには、予想されたように沢山のモニターがあります(そして、もしスーパーコライダーについての映画"Particle Fever”を見たことがあれば、それと分かるでしょう)

このデータが理解できたと言えたらよかったのに

僕が簡単に理解できたのは、ここCERNでの顕著な成功をなしとげてきた年表の表し方でした…お祝いのシャンペンのボトルにラベルがしてありました。

"ヒッグス・シングルモルト"のラベルに、"“Massive in its Field”と書かれているのが見えるでしょう

これが、僕のオフの日になにをやってたか、のダイアリーになります! CERNの人たちに彼らの貴重な時間を僕のために割いてくださったことを感謝しつつ、空港に戻り、バンドに合流するためにプラハに飛びます。

そして、もし興味を抱かれたなら、ウェブ上には山のような情報があること、それからいつでもCERNへはグループ訪問が出来ることを心に留めておいてください。

続きはまたすぐ、King Crimsonツァーから。