Tony Levin の生い立ちと現在

Tony Levin は1946年、6月6日にボストンで生まれた。彼はブルックリンの郊外で育 ち10歳の時にアップライト・ベースを始めた。高校ではバンドでチューバを担当して いた。また、同時にバーバーショップ・カルテットも始めていた。しかし、当初はク ラシック音楽をアップライト・ベースで弾くのが主で、特に注目すべきことに、ホ ワイト・ハウスで Kennedy 大統領夫妻のための青年オーケストラで演奏していたこ ともある。

 それから彼はニューヨークのロチェスターにあるイーストマン音楽学校に入学し、 ロチェスター交響楽団で演奏するようになった。この学校に現在ドラマーとして有 名な Steve Gadd がおり、彼の導きによりTonyはジャズとロックにおいて高度な演 奏を身に付けるようになった。彼は自分の持っていたアンペグ・ベビーベースとそ の当時既に古かったフェンダーのプレシジョンベースを交換し、これは長い間彼の 唯一の楽器だった。

1970年に Tony はニューヨーク市へ 引っ越し、The Mothers of Invention にいた Don Preston と Aha, the Attack of the Green Beast というバンドに参加した。 その直後から彼はセッションミュージシャンとして活動を始め、70年代を通じて多 くのアルバムでベースを弾くようになった。

70年代後期になって、Tony はさらに ライブでの活動を求めてPeter Gabrielのバンドに参加。 Gabriel との出会いは、 プロデューサーの Boz Ezrin(Tony は Alice Cooper のアルバム Welcome to Nightmare、Lou Reed のアルバム Berlin に彼の プロデュースの元で参加)を通じてであった。以降 Tony は Peter Gabriel とロード とスタジオの両方で参加するようになった。 Gabriel の最初のアルバムにおいて、 Tony はベースと同じほどチューバを演奏し、また短い曲のバーバーショップ・カル テットバージョンを監督した。

Gabriel との活動初期は、Tonyにと ってチャップマン・スティックの奏法を確立 する時期であった。更に Gabriel のアルバム So のなかの Big Time は、折った ドラムスティックでベースの弦を叩いて演奏する、 Funk Fingers を考案するきっか けを与えた。Tony は Gabriel のアイデアを借りて思い立ち、当時彼のテックだった Andy Moore がこれを使えるものに仕立てあげた。

1978年にTonyは彼の旧知の Steve Gadd や、 やはり古い友人の Mike Mainieri、 Warren Bernhardt とのバンドである L’Image に参加するためニューヨーク州のウッ ドストックに引っ越した。このバンドでの音楽は彼にとって大変意味深いものであっ たため、1年ほどしてバンドが解散してからも Tony はウッドストックに留まり、 現在までここに住んでいる。

Peter Gabriel のファーストアルバムで Tony は Robert Fripp に出会い、1980年 には彼のソロアルバム、Exposure に参加、さらに80年代の King Crimson再結成のメ ンバーとなった。このバンドは現在6人編成となり強化されている。

またこの時期1年を通じて Tony は、 以下のほんのわずかのアーティストとツアー を行っている: Paul Simon (1980年のフィルム、 ”One Trick Pony”で二人を見ることができる)、Gary Burton, James Taylor, Herbie Mann, Goro Noguchi、Judy Collins, Joe Yamanaka, Carly Simon, Peter Frampton, Anderson/Bruford/Wakeman/Howe, Tim Finn, Richie Samborra, そして Claudio Baglioni.

1984年にTony は”Road Photos”を出版。 彼がCrimson, Gabriel, Simon などと 旅をしている時に撮ったモノクロの写真集である。Tony の兄のPete はGil Evance との仕事で知られるニューヨークの キーボード奏者でライターである。70年代に遡ってTony とPete は Steve Gadd との コラボレートでThe Clams というコメディーバンドをやった。Tony は今もこのバンド の産物をいつか世に出すつもりで温めている。

さて現在、Tony はKing Crimson での レコーディングとツアーを続けており、この 夏にはロードも行われている。そして他のアーティストとも随時活動し、また彼の King Crimson の撮影記録も将来の出版に向けて更新され続けている。また彼自身の ベース奏法についての著作も書き上げたところである。


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