Pieces of the Sun
Tony Levinのニューアルバム
Narada Recordsから

 
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ミュージシャン:

これまで2年間一緒にツァーを回ってきたバンドと一緒に仕事ができて、とても幸せでした:

Jerry Marotta ドラムス(並びにボーカル、パーカッション、サックス、それから少しオムニコード)
Jesse Gress エレクトリック、アコースティックギター(と、少しボーカル)
Larry Fast シンセサイザー(そして、そう、僕たちは彼をおだててちょっと一曲歌ってもらいました!)
Tony Levin (僕)ベースとスティック
それから...
スペシャルゲストとして、California Guitar Trioがアコースティックギターで参加しています。

 

 


楽曲: (リンクからはMP3のサンプルが聞けます)

今回 は、 前作(Waters of Eden)に比べて、よりプログレ色の濃い曲作りをしたいと思いました。 その理由として、ひとつには、そういうタイプの演奏を最近やっていなくて寂しいということ、それから、去年のツァーでのバンドのライブ(Peter GabrielやGenesis、Crimson、それにSynergyの作品を演奏しました)が刺激的で、続けていきたいと思ったことがあります。

それで、 作曲の際には心の中では、Jerry、Larry、それにJesseと一緒に曲を書いていき、思うがままに、以前よりもっと複雑な形へ作り上げていって、変拍子も多く使いました。(その結果、すごく長い曲になって、7分8分、あるいは9分という曲もあって、全体で67分という大部なアルバムになりました)

またApolloという曲では、友人のCalifornia Guitar Trio に曲のミドルセクションを演奏してもらい、彼らの清純なサウンドが、導入部のバンドのヘビーさと良い対比になっています。(もう一つのサンプルはここから聞けます

冒険したこととしては:Peter Gabrielの古い作品である、 Dog One を、Jesse、Jerry、そして僕の最小限のボーカルを入れて演奏しました。この曲は、僕が昔Peterと録音した曲で(JerryとLarryも参加していました)、そう...20年も前のことになります! Peterのバージョンはリリースされなかったと記憶しているんですが、この曲はとても好きだったので、Peterに再録音の許可を出してもらい、実現したんです。

Larry FastSynergy の中からは、 Phobosがとても好きな曲でした。Larryはこの曲の再録音にあたり、僕のStick、Jerryのドラム、Jesseのギターソロを、常に印象的な彼のシンセに追加する形で改めて編曲してくれました(ドラムマシンのように聞こえるのは、Larryが初期のムーグ(!)で作り上げたループです)

ある日 、自転車で走っていたときに、Tequilaのすごく変わったバージョンを思いつきました。聴いている人は、あの有名な一言の歌詞が出てくるまで何の曲か分からないくらいのアレンジになっています。最初は僕独りで唄ってたんですが、そのうちバンド全員が我慢できなくなって皆参加してしまいました。

Pieces of the Sun は、前回のツァーでライブが始まるときに、この曲で僕たちが"行進"しながら登場するときに使いました。時には、ライブの最後に退場するときにも使ったんですが、今回はミドルセクションにファンクフィンガーのベースを使ってみました。

Stickも多用しています。特に、 The Fifth Man では、ずっとやりたいと思っていた、リードプレイに挑戦してみました。この曲では、導入部ではStickの対位法によるソロから始まり、バンドが入ってきて、Jesseのギターがメロディを奏でます。それからStickがハーモニーで入り、それぞれがソロを取り、最後はJesseと僕が荒れ狂う応酬をデュオで演奏しています。

Crimson スタイルの曲のひとつに、 Geronimo があります。シンプルな形で、ギターとStickがリードヴォイスを織り交ぜて演奏しています。

Ever the Sun Will Riseという曲は、複数の楽節からなる曲のひとつで、チェロスタイルのStickから始まり、ピアノ単独のメロディが背景に流れます。それからバンドが入ってきて、徐々に(象徴的に)夜明け前の暗闇から、圧倒的な日の出を描いていきます。

Silhouette は、CDの最後の曲ですが、メローな演奏で、 Waters of Eden.を思い起こさせるものになっています。

 

 


レコーディング:

僕たちは、 ニューヨーク州にあるWoodstockの家の近くにちょうど探していたサイズと雰囲気を持ったスタジオを見つけました。Appleheadという名前の納屋風の新築のもので、僕たちが欲しかった、豊かなドラムサウンドを録るにはぴったりのたっぷりした空間があって、僕のベースアンプ全部を詰め込むに十分なサイズのサイドルームもあり、バンド全員が入りやすい大きなコントロールルームも持っています。このことはとても録音作業を楽しくさせてくれます。曲をうまく仕上げる為には何しろ長い間スタジオで過ごすことになるわけですから。最近よく行われる手法として、キーボードとギターはProToolsで録り、ドラムとベースはアナログテープで録って、音色をうまく捉えることができました。Robert Frazzaはツァーで音響を担当していましたし、これからも担当してくれますが、この録音ではエンジニアをやってくれました。

レコーディング風景を集めたページはこちらから

家族が(犬も含む)訪れてくれて、ウッドストックスタイルのテイクアウトの食べ物を持ってきてくれたり、演奏中のビデオを撮影してくれたり、深夜にわたるジャムのときには元気づけたりしてくれました。 僕は、もちろん自分のエスプレッソマシンを持ち込みましたので、皆、人間並のコンディションで仕事できました!レコーディングが終わりに近づいたときに、僕たちはもっとこのスタジオに居たいと思ったんですが、その訳は、もっと作品を突き詰めたいからというわけではなくて、この仕事と、環境と、人々がとても気持ち良かったからなのでした。

ミキシング では、客観性の観点から、外部の人材を求めるようにしています。Kevin Killen(Peter Gabriel、U2他多数の仕事をしています)が親切にも僕にスケジュールを合わせてくれ、いつも彼が使っているニューヨークの Shelter Islandというスタジオでミックスしました。

マスタリング の段階になって、僕はTrevor Sadlerを選びました。彼はMilwaukeeにあるNarada Recordの社内のスタジオにいます。Waters of Edenの時の彼の仕事ぶりが気に入ったのでしたが、今回は曲が多いのと、もっと複雑な構成になっていたので、僕たちはそこで2日を費やしました。

 

 


このアルバムはどう評価されているか:

まぁ実際のところ、出来立てのほやほやなのでまだ一つも評価を引用できません! でも、もしこの部分がいつまでも埋まらないとすれば、レビューが仮にあったとしても、僕がこの2、3週間忙しいからだと思って下さい!

あぁ、遂に二つ批評が:

Amazon.comの編集者のレビューから (Kim Hughes)
 "...Tony Levin は、コラボレーションで光芒を放つミュージシャンのためのミュージシャンである...しかし、彼のソロ作品は、チャートとは全く関りを持たなかった。...彼は其々のソロアルバムのレコーディングにおいて、彼の主要な楽器 (ベースとチャップマンスティック)を単に並べ立てることからかけ離れ、彼が出来る限り、もっとも風変わりな、もっとも挑戦的な曲作りを行ってきた。従って、Pieces of the Sunにおいても、予想されるように、まったく予想不可能なもので、Levinと彼の2001年のツァーバンドは、プログレッシブロックの鼓動をすばらしく印象的な演奏で伝え、ヘッドホンが溶けるようなインストゥルメンタルを放っているのだ。コンサートにこれを持ち込めば、アマチュアたちはステージの上のミュージシャンたちの手の動きを、口をあんぐりと開けて見とれるに違いない。"

そして、早くもCDを買った人からのメール:
 "ヘイ、日焼けしてしまったよ!"

 

 


入手方法:

Pieces of the Sun は今、レコード屋さんで買えます(合衆国では)

日本でも同様(訳注:2月20日発売、日本向けのみボーナストラックが一曲入っています)

カナダではもうすぐ、3月の発売

ヨーロッパではこの春に発売、地域によって多少の違いがあります。

Papabear Records からはオンラインで発売、ただし、2ヶ月後以降になります。

Amazon.com では、今すぐ買えます。

 

 


その他のお知らせ:

ツァーの予定はある? もちろん!Larry Fast、Jesse Gress、Jerry Marotta、そしてTony Levinの面々でツァーをします(日程はメインページをご覧下さい)

公演地ではCDは買えますか? はい。それに、公演後、買っていただいたCDに、できるだけサインもしたいと思っています。

ライブアルバムの予定は? あります。いくつかの場所でショーを録音して、一年以内にライブアルバムをリリースしたいと思っています。

Tonyは今回のリリースをどう感じていますか?
" これまでで最高の作曲になったと思っています。 Waters of Edenのメローな側面が好きなリスナーの方には、このCDは全体にヘビーに感じられるかもしれません。でも、僕は演奏の幅を更に拡げたいと思って曲を書きました。僕が好きな点としては、プレイヤーがそれぞれフィーチャーされていることと、聴いた感じ、曲それぞれがバラバラに感じられるかもしれないけれど、そこにはミュージシャンとして僕たちが一緒にやってきた歴史をバンド全体のフィーリングとして感じることができるんです。 "

パッケージのグラフィックはどういうもの?
NASAの太陽の画像なんです。

 

 
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